一番下のスーツのボタンを留めない理由とは?

スーツの一番下のボタンは留めちゃダメだよ。

スーツをボタンをすべて留めていたら、親にそう言われた記憶があります。

私が理由を聞いても「そういう決まりだから」と親に言われましたが、なんだか釈然としませんでした。

むしろボタンを留めたほうが良いのでは?と考えたこともあり、自分はあえてボタンを全部留めていた時期もありました。

他の洋服ではボタンを留めることが多いのに、なぜスーツは一番下のボタンを留めないのか?

昔から「なぜ?」と疑問に思っていたので、その理由について調べてみました。

下のボタンを留めないのは「アンボタンマナー」と言う

スーツの一番下のボタンを留めないことは「アンボタンマナー」と言います。

私はこの「アンボタンマナー」と言う言葉は、今回初めて知りました。

実はスーツのデザインは、一番下のボタンを外す前提でデザインされており、もし男性用のスーツで一番下のボタンを留めてしまうと、腰回りに余計なしわが入ってしまい、見た目のシルエットが崩れてしまいます。

そして下のボタンを留めたまま座ろうとすると、窮屈になってしわが出てしまうので、座る時はスーツのボタンを外すのがマナーとなっています。

なお就職活動においては、座る時に全てのボタンを外した姿は、面接官に「生意気」「だらしない」と印象を与えることがあり、就職活動の場においては、一番下のボタン以外は外さないほうが良いでしょう。

それなら下のボタンはいらないのでは?

スーツのシルエットが崩れるからと言う理由で、下のボタンを外す必要があることはわかりました。

でも、それなら最初から下のボタンは付けなくても良いのでは?と疑問が出てきました。

ボタンとして使い道が無いのに、付けておいても意味が無いのでは?と、思っていましたが、今回ボタンのルーツを調べていく中で、ボタンはただ留めるために使うだけとの自分の認識が、大きく変わることになりました。

中世ヨーロッパではボタンは地位を表すものとして使われていた。

ボタンの役割は、ただ単に服を留めるのに使うアイテムだと思っていました。

しかし調べてみると、このボタンには深い歴史があり、中世ヨーロッパの貴族たちの間で、ボタンは自分の地位を表す装飾品として使われていたそうです。

このようにボタンには、その人自身のステータスを表す装飾品として使われていましたが、そのボタンについての歴史が分かる博物館が、実は東京に存在しています。

ボタンの博物館【BUTTON MUSEUM】

東京の日本橋には「ボタンの博物館【BUTTON MUSEUM】」があります。

2017年11月22日にリニューアルオープンをして、この博物館ではボタンのエピソードや文化的背景を知ることができます。

この博物館には、世界各国から集められた約1,600点ものボタンが展示されています。

装飾品としてボタンを見てみると、確かに印象が変わってくる


世界の美しいボタン

上の画像はamazonで販売されている「世界の美しいボタン」と言うタイトルの本です。

この本に載っている美しいボタンの数々を見てから、自分の中のボタンの概念が大きく変わりました。

オーダースーツを作る時に、なんで単なるボタンを有料オプションで変更したりするんだろう?と少し疑問に思っていましたが、その理由がはっきりとしました。

アンボタンマナーは女性はしなくてもよい

女性はボタンは留めたままで大丈夫

ちなみにこのアンボタンマナーの習慣ですが、どうやら男性のみで、女性はボタンを外す必要はありません。

女性の場合は男性とは違って、全てのボタンを留めることで美しいラインになるようにスーツがデザインされているため、逆にボタンを留めないでいると、相手にだらしない印象を与えてしまいます。

男性と女性では、ボタンについてのマナーが異なるので気を付けましょう。

「ジョン・F・ケネディ大統領」は下のボタンも留めていた

現代では下のボタンは留めないでおくのがマナーと言われていますが、過去にはアメリカの大統領で、下のボタンを留めていた人がいました。

1960年代のアメリカの大統領「ジョン・F・ケネディ」です。

ケネディ大統領は、スーツを着る際に下のボタンも留めていました。

当然大統領も全てのボタンを留める前提でオーダースーツを作成していたと思いますが、当時アメリカの大統領がそのような着こなしをしていたので、そういった着こなしが流行った時代もありました

一番下のボタンを外したほうが見た目が良くなる

一番下のスーツのボタンを留めない理由は何だろう?と疑問から調べてみましたが、下のボタンを無理に留めてしまうと、それによってしわが出来てしまい、せっかくのスーツ姿が崩れてしまうのが、一番下のボタンを外す大きな理由でした。

「アンボターマナー」と言う言葉の意味も、スーツを着こなす人であれば、是非知っておいたほうが良いでしょう。

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